《MUMEI》

日曜日に、ショールームで、試乗車に乗る、おに〜ちゃんといっくん。


「将来がど〜したって?」


「手相がね。」


「手相?…このハンドル軽いんだよね。」

「およそ、いっくんらしくない言葉だね。」

「そーかね。」


「ふむ、メタリックで綺麗だけど、やっぱし4ドアの方がいいかな?う〜ん。」


「おに〜ちゃん!!」


「はいはい、はい〜なに…」


「ちっとも、聞いてないんだから!!」


「聞いてるよ、おい、いっくん!」


ショールームを出る二人。


「おに〜ちゃんが、将来何になるのか、聞きたかったんだ。」


「おいら?」「おいらは教師。」


「へえ、はっきりしてんだね。」


「おいらが、何しに大学へ行ってると思ってんの?」


「麻雀!!」


「当たりだ、はは…」タバコに火を着ける、おに〜ちゃん。


「それにしても、教師になろ〜とゆ〜人間が…」


「おまわりさ〜ん、未成年がタバコ吸ってるよ〜!!」


「おい、バカ!いっくん。」

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