《MUMEI》

思えば高等部に入るつもりは無かった。

つまらないと思っていたからだ。

しかし、父の命令で仕方なく残らなければならなかった。




氷室家の家族構成をここで説明しておく。
この不景気にも関わらず名を馳せている大企業の氷室会長、氷室千石が俺の父親である。

そして同じ学園の大學に通う姉、千花に同じく弟で中等部の千守と俺は父に引き取られた孤児だ。

父は一代で会社を大きくしたが未婚で更に跡取りもいなかった。


そこで父が自ら各地に足を運び選ばれた俺達三人が氷室の苗字と名前を与えられて子息令嬢となった。

俺達は父の財産を継ぐ権利を有している、しかしそれを得られるのはただ一人で、父に認められなければいけない。




ついでに加えれば、俺はそんなものに興味は無い。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫