《MUMEI》 「集合!!」 「はい!!」 「二ノ宮。」 「何すか?」 「桜井はどうした?」 「…いや、俺もわかんないすけど。」 「全く…」 市民体優勝高校、 聖龍高校。 それまで2強であった秀皇高校が、 準決勝で海南高校に負けてしまったこともあり、 彼らの1強時代となってしまった。 自分に厳しい二ノ宮は、 それでも上を目指し続け練習に励んでいた。 「スリークロスの3対2からだ。」 「はい!!」 練習が始まる。 しかし、そこに桜井の姿はない。 桜井は相変わらずの遅刻ぐせがあり、 毎日のように練習に遅れていた。 「すいませ〜ん!!遅れました〜!!」 「桜井!!早く着替えて来い!!」 「すいませ〜ん!!」 そんな桜井を、 阿久津は笑って見ていた。 (いいなぁ〜、 凄いなぁ〜桜井は… 皆より遅れてきても実力は確かだし。 …やっぱ才能のあるやつは違うなぁ〜) レギュラーとなったポスト阿久津。 二ノ宮や桜井と同じ3年生の彼。 ずっと同じチームで練習来た彼だが、 まだ桜井のことを理解していなかった… 前へ |次へ |
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