《MUMEI》
坂城家ルール。
『まず一つ…
これからの呼び名は、
稜兄・渉・璃久に統一だ。それ以外では呼ぶな!
ややこしいから。
あと敬語も禁止な。
うっとうしいから。
次…
璃久が家でバイトしてることは誰にも言うな!
変な誤解は面倒くさい。
最後だ…
基本、俺が全部決める!口答えは禁止だからな!!
以上!!…質問は!?』


(渉)
『…はいはい。』


(私)
『…分かった…です。』


“うわ〜。
なんかやりにくいな。
でも、思ったより普通のルールで助かったなぁ…。”


『よしっ!渉!
あとは璃久と2人で話がある。お前は二階に行け!』


“えっ?2人で話…?”


驚いている私を心配そうに見ながら、渉は言った。


『…稜兄。
あんまり璃久を困らせるなよ。…璃久が辞めちまったら、また俺が大変なんだからな…。』


『分かってるって。
ちょっと二人だけの追加ルールがあるんだよ!
早く二階へ行けって!』


『…お…おぉ。』


唯一の味方、渉が二階へ行ってしまった…。


『よしっ!璃久。
お前は今日から家で働くんたよな?』


『…はい……うん。』


『そこで、一応面接したいんだけどさ。』


“えっ?…私見て、すぐ合格って言ったじゃん。”


『面接…?』


『あ〜心配ないよ。
ちょっと、簡単な自己紹介して欲しいんだ。』


『あっはい!
名前は橘 璃久…歳は18で…高校は…』


『いやっ!
自己紹介って言うのはそうしうのじゃなくて…。』


『………?』


『あははっ!
取り敢えず脱いで(笑)!』


“…脱ぐ?…制服を?”


『…なっ…何で!?』


『俺、知ってんだよ!
渉が無知なのをいいことに3ヵ月のバイト代100万だって?
そりゃ〜詐欺だろ?
まぁ〜金はあるからいいけどさ、それなりの仕事はしてもらうってことだよ!』


“それなりって…(汗)”


『イヤなら無理にとは言わないよ!!
このバイトは無かったことにするだけだから…。』


『ヴーッッ。
………そんなの困る!』


このバイトを逃したら絶対、借金返せない…。
キャバクラで退学覚悟して、ハゲオヤジとかに体触られるよりはマシか…。


“やるしかないっ!”


『…分かった…脱ぐ。』


私は、ゆっくりと脱ぎ始めた…。稜兄は無表情のままずっと見てる…。


“どうしよう…もう後は、下着を脱ぐだけだ…。”


私は少し戸惑いながら、ブラのホックに手を掛けた。


『ストップ!!』


稜兄が叫んだ。


“…何!?”


ソファーに座っていた稜兄が私に近づいてくる…。


『気をつけ!!』


下着姿のまま、素直に従った…。稜兄は私の体をジロジロと見続け、


『…今日はここまで。
続きはまた今度な…。』


と笑うと私のお尻をパンと叩き部屋を出ていった…。


私は全身の力が抜け、その場に座り込んだ…。


─10分後─


『まだそんな格好してんのか?お前ドMなの(笑)?』


稜兄が部屋に戻ってきた。


我に返り、急いで服を来ていると稜兄が一万円札を渡たしてきた…。


『今日は遅いからタクシーで帰れよ!』


私は、黙って頷き一万円を受け取った…。


タクシーの中…
“私、なんかスゴいことになっちゃってない?
この3ヵ月…一体どうなっちゃうんだろう…。”


不安でいっぱいだった…。

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