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《MUMEI》 ◇◆◇ 浅葱が、胡蝶を無事里親に預けてきた事を伝えると、神夜は悲しい表情を浮かべつつも、ありがとう、と囁いた。 「ねぇ、浅葱」 「はい」 「あの子は‥分かってくれるかしら‥」 「姫様‥？」 「ううん‥何でも無いわ」 神夜は苦笑した。 胡蝶は、自分が神夜の娘である事を知らされずに育てられていくのだ。 だが、僅かでも、本当に露程であっても、私の事を覚えてくれているのなら。 私の愛に、貴女は気付いてくれるかしら。 神夜は、心の中で胡蝶にそう問い掛けた。 ◇◆◇ 前へ |次へ |
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