《MUMEI》

…自分の力で動かす人生か…


その第一歩が、義務教育でない高校への進学なら…


その高校を卒業して、大学へ行ってるおに〜ちゃんは、一歩も二歩も自分で歩いてる訳だ。


授業の1時間が、辛いあたしにしてみれば、気の遠くなるよーな先の事みたい。


「このマフラーも、先が長い…」


考えるだけで、おぞましい…


コンコン…「いっくん!」


「ひぇ〜…おに〜ちゃん!!」
慌てて、マフラーを隠す。


「何隠した!?」


「何でもな〜い。」


「ところでさ、おに〜ちゃん。」


「話をそらすな!」


「違うよ、聞きたいんだ。」


「おいらは、いっくんに変な隠し事はいけないと言った。」


「それそれ、おに〜ちゃんはあたしの先生だけどさ、あたしにとっちゃ、先生ってもんは敵なんだ。」


「おいらは敵なのか?」


「そ、先生って意味でのおに〜ちゃんはね。」

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