《MUMEI》



「なんで此処だって分かったの?」
「ん、長沢が此処だって」
「―――――」
日高の自宅の場所貢に教えた覚えないんだけど。

俺はぼぅっとしながら陸ちゃんのポルシェの助手席に乗り込む。
陸ちゃんは日高のお袋さんにまた何回か礼を行って、運転席に乗り込んで来た。




「いつの間にか聖も大人になったんだな」
「――なに?…それ…訳分かんない」
運転する陸ちゃんはカッコイイ。何してもカッコイイけど特に。
なんかアルコールで頭ん中ドロドロ。
は〜…、今陸ちゃんが何処走ってるか全然分かんない。
結構移動してるから自宅に向かってないのは分かる。だって俺ん家から日高の家まで徒歩20分の距離。車じゃせいぜいかかっても5分だろう。
するとなんかの建物に入り、陸ちゃんはエンジンを切った。
バタンと大きな音が響き、助手席が開いた。

「寝るな、着いたぞ?」
「―――どこ?此処…」
もそもそ降りると広い建物の中の駐車場…?
「俺のマンションだよ、―――昼寝用の」
「―――昼寝…?」



直ぐ脇にエレベーターがあり乗り込むと、陸ちゃんは一番上の12階を押した。

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