《MUMEI》

「昨日のテレビ見た?」


「え?なにを?」


「あ、あたし見たよ!!


クロ先輩出てたやつでしょ!?」


「そうそう!!」


「え!?クロ先輩テレビ出たの!?」


「出てたんだよ〜。


何かあんまり変わってなかった。」


「クロ先輩って今も毎日ここ来てるんでしょ?」


「え!?何で!?」


「何かハンド部のコーチやってるらしいよ。


あたしこの前挨拶したもん。」


「そうなんだ〜。


あたし今日ハンド部の練習見に行こっかなぁ〜。」


「あ、いいね!!あたしも行きたい!!」


現在の赤高3年生は、


クロが高校3年生の時の1年生。


クロのことを知っている。


3年生を中心に話は広がり、


1、2年生にもクロの存在のことが耳に入る。





(…さてと。


行こうかな。)


少し早めに赤高についたクロは、車の中でぐだぐだしていた。


「バタンッ!!」


車を降りるクロ。


そして体育館へ足を運んだ。

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