《MUMEI》

「いい人…尊敬出来る人に、会えるか会えないか…って事は、自分次第だとは思わないか?」


「おいらの尊敬してた先生を嫌ってた生徒だっているんだからね。
尊敬出来る人を見つけるのは自分であって、その人に人生を動かされるって、訳じゃないんだ。分かる?」


「うん…難しいけど、分かるよ〜な気がする。」


「〜ところでさ、あたしはなんになるんだろ…」


「何か、なりたいものあるんだろ?」


「え?なりたいもの?」


「な、なんか昔は、なりたいもの いっぱいあったよ〜な気がすんだけどな…

今考えると、なれないものばっかしじゃない、困るよね、これは…」


「そんな事ないさ、これからする努力によって、なれるかもしれないじゃない。」


「巨人の選手や、犬や猫や鳥や、野生の馬やアメリカの大統領に?」


「え?いっくんは、そ〜ゆ〜ものになりたかった訳?」
驚く、おに〜ちゃん。

「うん、だから無理でしょ?」

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