《MUMEI》

福沢諭吉……1万円というお金は、普段の僕ならどうってことない金額だ…。


でも、この時の僕にとっては、パパとママの命を繋ぐ、かけがえのないお金だったんだ――…。


ジャイアンにくれてやるくらいなら、一つでも多く林檎を買った方がマシだ。


それに本当の友達なら、困っている友達の足元を見るような真似はしない…。


僕はジャイアンを睨み返し――…



「分かったよ!もうジャイアンには頼まないよ!」



…そうして冷たい仕打ちを罵ったのさ――…。




すると…………



「なんだと!?スネオ!お前、誰に物言ってるんだ!?」





―――…数分後………。



僕の目の周りには、青い痣が出来ていたんだ――…。



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