《MUMEI》
「ベッドに行こうか?」
柔らかく微笑みかけられて、手の甲に短いキスされた。
「―――陸ちゃん…」
「ん?」
「俺……、女の子に、―――女の子に負けちゃった」
視界が一気にぼやけだす。本当はこんな風に貢にされたいって思ったら一気にこみあげてきた。
「今陸ちゃんにされてる事貢にされたい、
でも、俺男だから…、もう貢、限界なのかな、女の子のところに戻っちゃった、俺、辛い、死にたい」
「―――聖…」
「ひっぐ、陸ちゃん、俺愛人でもいいから貢の傍にいたい、これってダメ?嫌われるかな、でも…―――
嫌われてもいい、
俺貢の事死ぬ程好きだから、――――
貢に会いたいよ〜…」
「聖…、そんなにあの子が好き?」
腕を掴まれ上体を起こされる。
「好き…、めちゃめちゃ好き…」
「そっかぁ〜、聖も切ない恋する様になったのか〜」
頭をぐりぐり撫でられて俺は陸ちゃんにギュッと抱きつく。
「陸ちゃ〜ん、もう切なくて苦しい、俺貢にメロメロで死にそう」
「そっかぁ〜、でもなあ、あの子今頃死んでるかもしんないしなあ、もしかしたら結局諦めなきゃなんないかもなあ〜」
「―――――へ?」
「猿轡咬ましてポルシェのトランクにあの子つめっぱなしなんだよね〜アハハハハ!生きてるか死んでるか」
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