《MUMEI》

押し倒されるなんてあんまりされなかったから新鮮だ……襲う側だからか?
乙矢の冷静な顔が俺の前で歪むのが堪らなく悦い。

「……もっとしたいな。」

世の素敵眼鏡男子顔負けの口説き文句だ。
君の若さに乾杯、といったところか。

「此処はマズイ……」

直ぐそこで仕事してる。

そして頭の上から影が落ちた。

「……いや、奥部屋でなら構いませんよ。」

先程まで思い切り仕事トークしていた聞き覚えのある声だった。

ヒィィィ、
見られてたのか。

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