《MUMEI》 本音俺は、タバコに火を付けると、ため息のように吐き出した。 「正直なところ、会いたいけど、俺はこのままでええわ… って言うか、このままの方が楽しいし、下手に会うと気まずくなるかも知れんやろ?その方が困るわ」 「でもさぁ…あいつはお前に会いたいんやないか? じゃないと、十年も前のお前のバイクに乗らんやろ? それなりの思いがあると思うぞ!」 「それは解らんぞ! 今じゃ、貴重なバイクだしな… 程度良いし、今中古でも新車並のねだん付いてるし…」 「解ってないのはお前や!! あいつ、大型二輪免許持ってるんだぞ! 普通ならRVF売って大型バイク買うはずやろ?」 「そうか… でも、このままでええわ… お前もあいつには黙っといてくれよ…」 「解った… でも、お前もバレんようにせいよ。 有名になっとるもんな(笑)」 「まあ、ほどほどにしとくわ(笑)」 その後、もう一度峠に戻った。 前へ |次へ |
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