貴方の中の小悪魔
を知る神秘の占い《MUMEI》イセカイへの道
屋上に着くと、そこには光る玉が風もなく浮いていた。周りは一切照らされていないのに、なぜかその玉からは溢れるように光が漏れていて、そしてどこか懐かしい感じがあった。
その玉を見た瞬間から、僕は震えを感じていた。寒いからでも、怖いからでもない。これは武者震いだ。今僕は、この物理現象を無視した謎の物体にワクワクしいてるんだ。
いつしか、僕を呼んでいた音が止まった。無音の中、光る玉だけがその存在を伝えていた。だから僕はそれに応えるように、震える手をそっと置いた。
世界に光が満ちた。
前へ
作品目次へ
無銘の作品を探す
無銘文庫TOPへ