《MUMEI》

でも―――…


悔しいが僕一人の力じゃ、あんな大量の林檎を集められない…。



僕は、どうしていいのか分からず、ただ彼女の前で泣くことしか出来なかったんだ。



「スネオさん……何か悩みがあるのね?

…何があったの?……話してみて…。」


彼女は優しく促してくる…。



「――――…………。」


僕は黙っているだけだった。



「分かったわ……話せないような悩みなのね…?」


僕はコクリと頷く……。



「…じゃあ、私は自分の意思で、勝手にスネオさんを手伝うことにするわ…。」


彼女はそう言って、僕が担いでいた買い物袋を拾い上げた…。

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