《MUMEI》 優しい嘘。何時間待っても 彼は来ない…。 嘲笑うかのように雨… この際、死ぬまで待ち続けてやろうか…。 なんて 馬鹿なことも考えた…。 真っ暗な道から足跡だけが聞こえていた…。 “彼…?” “…違った。 ずぶ濡れで走ってきたのは彼の親友だった…。” 同じくずぶ濡れの私は、涙を隠すように俯く…。 彼の親友はゼエゼエと、息をきらしながら言う。 『…悪い。 俺、伝言頼まれてたんだ!“今日は急用が出来たから会えない”って!! 本当だよ!忘れてた…。』 ウソをつくのが苦手な彼の親友の目は泳いでた…。 そして彼の親友は言った。 『忘れてたお詫びに、今日は俺が飯奢るよ…。 なっ!行こう!』 …私は、彼の親友の作り話にノッた。 誰が聞いても、フラれた私が、すっぽかされたって分かるのに…彼の親友は必死で嘘を突き通した…。 そんな彼の親友の優しさが…嬉しかった。 そして、数年後…。 彼の親友だったあの人は… 私の旦那さまになった。 前へ |次へ |
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