《MUMEI》
弁天と哀
部屋から出た、弁天は廊下の向こうから、やって来る人物に気づいた。


「あ、弁天様〜こんにちわ。」


「哀ちゃんだったかしら?貧ちゃんとこの、娘さんよね。」


「はい、パパ居ますか?」


「ええ、中に居るわよ、また何かしたのね、しょうがないわね(笑)」


「あ、いえ〜ちょっと…」
曖昧に笑う、哀。


「あなた、当に似て来たわね。」
そう言って、弁天は哀を見つめた。


「えっ、そうですか?嬉しいな。」


…ええ、その気の強さが…と心の中で思った弁天である。


哀は、自分では気づいてないが、怒りのオーラを身に纏っていた。

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