《MUMEI》
海へ〜
「そんな訳で、海行くよ!!」
「「はぁ?」」
「きゅ?海!?みんなで?行く〜〜」
彩の提案はいつも突然だが、今回のはあまりにも突然すぎる。
なんで、国のトップと俺らみたいな一般の騎士が一緒に旅行することになる。
しかもだ。
皇国だけでなく、教国のお偉いさんまで連れて行く・・
まぁ、提案自体はそう悪い物では無いだろう。
俺らだって色々疲れてはいたし、現に他の騎士からも「少しは休暇を取られては?」と言われてた。
メンバーがおかしいだろ・・
「彩、本気で言ってるのか?」
「うん、もう皇国と教国の方からはOK貰ってるし。後は私達だけなんだけど?」
遊ぶことに関しては手回しまで完璧だ。
仕事の方でもう少しソレを発揮してくれ。
「バンプ、用事でもあった?」
「特には無い。だが正直そのメンバーで・・」
「そ・・そうですよ、主人、幾らなんでも、私のような騎士ですらないヒトを連れて行くのは・・」
式夜が的確な指摘をしてくれる。
そう、彩は知り合い全部連れて行くつもりなのだ。
彩だけならまぁ・・納得も出来る。
「えぇ・・じゃ私も行かない。」
・・・
式夜とアイコンタクト成立。
深くため息をつく。
「解った・・行けばいいんだろ。」
「うん。みんなで行った方が楽しいじゃん!!」
「きゅ〜海〜海〜」
その後、なんだかんだと休暇をとる手続きをして海へ行くことになった。
待ち合わせ場所は、リーベルの東門。

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