《MUMEI》

教室の窓から、ボンヤリ外を見てるいっくん…


「あら、いっくん。もうマフラー出来たの?」


「ううん、真夜ちゃん。」


「間に合わないわよ?」


「止めたの。」


「どーして?」


「冷戦状態。もう勉強もしない、みんな 止めた!」


「勉強もって、もうすぐ期末よ。」


「真夜ちゃんは、なんで勉強すんの?」


「なんでって…」


「将来の為?お嫁に行くのに、難しい数学や英語が必要?あたし、もう何も分かんない!」


…いっくん、あたしだって欲しいわよ。『なんで』ーって言う勉強する理由が…


…今のあたしには、勉強しなくちゃいけないんだ…って事しか分からない…


いっくんにだって、分かってるはずよね。今のあたし達には、それしかないんだもの。


あたしって、こんな風に考えるから、分別臭いバーサンみたい…って言われるのね。


「あはっ」自分の頭を小突く真夜ちゃん。

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