《MUMEI》

帰り道、おに〜ちゃん家の前に通りかかったいっくん。


「くっそ!今日も、おに〜ちゃん来たって 口聞いてやんないんだ!」


おに〜ちゃんの車が路上駐車してる。
「あーあ、道端に車停めて、駐禁貼られっぞ!」


「あれ!?」
凍り付く、いっくん!


おに〜ちゃんの車は…運転席側の窓ガラスが粉々に割れて、ドアが大きく、へこんでいた。


「あ…おに〜ちゃん!!」
慌てて、おに〜ちゃん家に入るいっくん。


誰かの話声〜
「まったく、何処のバカよ。停まってる車の横っぱらに突っ込むバカは!」


「大学の前でね、おっかないオバハンだった、自分でぶつけといて怒ってんの?」


おに〜ちゃんの一番上の要(かなめ)ね〜ちゃんが、いっくんに気付いた。


「あら!いっくん。」

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