《MUMEI》

…おに〜ちゃん…


「いっくん?」
振り向く、おに〜ちゃん。右の頬に切り傷。メガネもレンズが割れてる。


ツカツカ…
おに〜ちゃんに近づくいっくん。


「いつまで、こんな危ないメガネしてんの?!」
おもむろに、メガネを奪い外す。


「全く、女の人乗せてて、なんて不注意なの?ケガさして!」
頬のケガの手当てをする、いっくん。


「す、すみません。」謝るおに〜ちゃん。


「あの位置だと、モロに顔にガラス被ったでしょ?!」


「うん…」


「全く悪運の強い…これだけで済んだから、良い様なものの…」


「ゴメン…」


「直ぐにメガネ直しときなさいよ!おに〜ちゃんには、それが一番おに〜ちゃんらしいんだから!」


「はーい。」


テキパキと傷の手当てを済ませ、出て行くいっくん。


何故か、嬉しそうな顔のおに〜ちゃん。

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