《MUMEI》 目が覚めたとき、周りはまだ薄暗かった。 おれはベッドから起き出して、カーテンを開けた。 あくびをしながら、通りに面する窓から道路を見下ろす。 と、 静かな通りに、微かな足音。 カーテンの陰から通りを覗うと、そこには、 黙々と走る『おれ』の―… いや、 ―…蓬田の姿があった。 カーテンを握り締める。 …運動苦手って、言ってたじゃねえか。 別に、おれが監視してるわけじゃあるまいし… どんだけ早く起きたんだよ。 真面目すぎんだよ、 …ばかだな、 苦しくなって、息を長く吐き出す。 違う。 …ばかは、おれだ。 ―…おれは、あいつに何をしてやれる?? 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |