《MUMEI》

目が覚めたとき、周りはまだ薄暗かった。


おれはベッドから起き出して、カーテンを開けた。


あくびをしながら、通りに面する窓から道路を見下ろす。



と、



静かな通りに、微かな足音。


カーテンの陰から通りを覗うと、そこには、



黙々と走る『おれ』の―…



いや、



―…蓬田の姿があった。



カーテンを握り締める。



…運動苦手って、言ってたじゃねえか。


別に、おれが監視してるわけじゃあるまいし…


どんだけ早く起きたんだよ。


真面目すぎんだよ、




…ばかだな、





苦しくなって、息を長く吐き出す。


違う。


…ばかは、おれだ。



―…おれは、あいつに何をしてやれる??

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