《MUMEI》

朝走るって、初めてのこと。


でも、思ってた以上に気持ちよかった。


朝の空気は澄んでいて、静かな通りに響くのは、自分の足音と、息遣いの音だけ。


風は優しく頬を撫でるし、街路樹が作るまだらの影は私の影をなぞる。



…隣に椎名くんがいれば、この風景は、




―…きっと、もっと美しい。

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