《MUMEI》

彼女の心配も頷ける…。


僕らがどんなに奔走して買い集めても、たった一日で何十個もの林檎が減ってゆくのだ。


“底をつかないように”…というのも到底無理な話なのかもしれない…。



そんな底儚とない恐怖に怯える僕に、彼女は一つの提案をもたらしてくれたんだ…。


「ねぇ…スネオさん…

…出来杉さんにも協力を頼んでみたらどうかしら?」



その提案を耳にした僕の表情は、微かな希望に和んだ。


「そうか!…人格者の彼なら、快く引き受けてくれる筈だよね!?」



そのとき僕は、しずかちゃんと顔を見合わせて笑顔を覗かせていたんだ。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫