《MUMEI》

昇降口の方から声がしたので、ましろは振り返り見てみた。


クリーム色のカールを巻いたセミロングの女の人がいた。


「はい。そうですけど。」


女の人は靴に履き替え、小走りでましろに近づいた。


「遅れてすみません。私、担任の砂田美羅(みら)です。今日から、よろしくね。」


「こちらこそ、よろしくお願いします。」


「分からないことがあったら何でも聞いてね。」


「はい、ありがとうございます。」

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