《MUMEI》 「ひ、氷室様、僕は要りませんか……?」 久しぶりの発声で裏返ってしまう。 「……明石君?」 「氷室様、家族以外の人とこんなに長く居たことないんです。 同室で生活したり、一緒にご飯食べたり嬉しかったです。 でも、僕は氷室様なカンに障ることをしたんですよね、だから学校くらいは顔も見たく無かった……? いえ、きっと学校にはもっと素敵なお方が氷室様の傍らに居て僕は邪魔なんですね……?!」 「……明石君? なんかよく分からない言語を発しているよ?」 新井田さんが僕の目の前を手を振って確認する。 「分からなくないです、僕には氷室様の気持ちを理解しようとしてます。 氷室様は僕とは居たくないから一歩も外に要られないのですよね?」 「……明石君、一歩も外に出ていないの?!」 新井田さんが大袈裟に驚いた。 「――――タマ、お前は難しいことを考えるな。 何も考えず、ただ、俺に従えば良い。」 氷室様は眉一つ動かさずいつものように話す。 「氷室君、まさか軟禁したりしてないよね?!」 新井田さんが氷室様に問い詰める。 「違います、僕が悪いんです!僕が……」 「タマ、次の土日は俺と父さんの誕生日を祝いに帰省するぞ。」 「「――――え?!」」 突然の氷室様のお誘いに僕も新井田さんも動揺した。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |