《MUMEI》 赤と紅「よし、着いたぞ。」 しばらくすると湖に着いた。 「キレイな湖だな。」 「だろ、ここは俺のお気に入りの場所なんだ。特に夕方になると水面に夕日が映ってキレイなんだぜ。」 水面に夕日が映るのか・・・・・リュウヤの言う通り、キレイなんだろうな。 「ほら、早く行けよ。」 「・・・・・!あぁ、分かった。」 すっかり忘れてた。 「お前、忘れてただろ。」 「(ギクッ)忘れてねーよ。」 たぶん、いや絶対にバレたな。 「図星だな。」 「・・・・・早く見てこよーっと。」 ここは逃げよう。 そう思って湖の中に映る自分の瞳をみた。 「何だよ・・・・・これ。」 自分の赤い瞳を見た瞬間、俺の頭の中をある光景がよぎった。それは・・・・・深紅の世界の中、血で紅く染まった自分の姿だった。 少女が見たのは、記憶のカケラ。少女がそれに気づくのはもっともっと後の事。まだまだ物語は続く。 前へ |次へ |
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