《MUMEI》
いつか来る別れ
「・・リ・・・」
誰かの・・・声がする。
「ユ・・リ・・・ユウリ!!!」
『・・・リュウヤ?』
!そうだ、俺は自分の赤い眼を見て、そのあと・・・
「ユウリ!心配したんだぞ!湖を覗いたとたんに魂が抜けたみたいになって・・・」
なんでだろう、リュウヤの顔見たら、なんだか安心した・・・出会ったばかりなのに、なんでだろう?
『(リュウヤには言うべきなんだろうか・・・)』
あの、紅い世界のことを。
「ユウリは元に戻ったみたいだし、行くぜ!」
何にも無かった様に振る舞うリュウヤ。
『(やっぱり、言わない。)』
心配、かけたくないから、さ。
「ホラ、早く行くぞ!」
リュウヤに言われ、俺は駆け出した。






短い時間の中で、お互いを信頼し始めた二人。しかし、その信頼は別れの時をより辛いモノにするだけだと言うことは、今の二人には分からなかった。

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