《MUMEI》
いざ洞窟へ
無言で琴の拳が狩月に襲い掛かった。
ドゴッ!バキ!ガン!・・肉を連打する音が10秒ほど続いただろうか・・遠くでは鳥が鳴いている。
「何すんだ!!」
なんとか琴の猛攻をしのいで叫ぶ。
「お前は・・人の話聞いてたのか!?」
ゼーハーゼーハーと肩で息をしている琴。
「別にいいじゃんか〜〜」
「く・・好きにしろ!!後で後悔してもしらねよ〜〜っだ」
「ふっ、私が後悔などするものか。」
「あ〜・・この変人が」
「そんな変人の友達の貴方は奇人だ。」
「屁理屈を・・・」
やれやれといった感じで肩をすくめる琴。
「まぁお前の変人ぶりは今に始まったことじゃないし・・気にするだけ無駄か。さて少し敵が強いとこ行くから付いて来いよ。今度は迷子になるなよ?」
「えぇ・・ここより強いって・・俺、即死じゃないのか?」
「お前は・・まぁ逃げとけ。そうすれば死なんだろ」
「うわぁ・・楽しさの欠片もなさそう・・」
「回避と防御の訓練だと思えって。」
「へいへい・・」
二人はリベールの街から一番近い洞窟へと向かった。途中何人かが戦っているのを横目に見ながら・・
〔場所名 ケフロの道2〕
「まだ着かないのかよ〜暇なんだけど・・」
「お前なぁ〜まだ3分程度しか歩いてないぞ。」
「テレポ〜とかないのかよ〜想花みたいにさ〜」
「無い!歩け。」
「む〜・・・」
当然マジックアーチャーである琴は移動用のスキルは覚えていない。
「使いたかったら転職して覚えるんだな。もっとも転職できる街は結構遠いけどな。」
「転職って・・初級の職業から初級の職業へも変更できるのか?」
「あぁ。」
「ふ〜ん・・」
と言うことは・・とぶつぶつ言い始める。どうやら回復系のスキルも覚えておきたいらしい。
「後な、友録は仲良くなった人とはした方がいいぞ。レベル上げの手伝いもしてくれる人もいるし・・なによりせっかくなんだから友人が多い方が楽しいからな」
「ま、それはそうだな、そういえば・・お前としてないじゃん!友人登録。」
「忘れてたな」
話しながら歩いて行くといかにも!な感じの洞窟があった。奥からは誰かが戦っているのか物音が聞こえてくる。
「なぁ・・ここか?」
「そうだぞ〜レベル5くらいなら一人でも来れると思うぞ。もしかして怖くなったか?」
「いや・・ものすご〜〜くわくわくしてきた。」
「そっか、せいぜい死ぬなよ。」

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