《MUMEI》 「今日は俺の為に居てくれるならいい。」 その為に口裏合わせて貰ってきた。 「当然だ、急いでもシャワーは浴びてるから。」 布団直行コースか。 「にゃああ」 足に纏わり付いてアルが部屋に行くのを阻む。 「……アル、仕事場のアイドルなのに飼い主どころか乙矢にしか懐かないな…… しっしっ、俺んだぞ離れえい。」 猫に嫉妬とは……是清は大人げ無い。 「アルみたいなのに懐かれやすいみたいだ。」 失言した。 「みたいな?」 是清は目敏いとこがある。 「アルは二郎に似ているからな……」 白状してみた。 「アルめぇ、思わぬ所にライバルが……痛ァ!」 是清はアルを持ち上げると頬を引っ掻かれた。 前へ |次へ |
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