《MUMEI》

「氷室君、何を考えているの?」

新井田さんは訝しげに首を傾げた。

「同室の者を招待する……ごく自然のこと。」

氷室様……!

「……お呼ばれですね?」

友達の家にお呼ばれされるの、初めてだ。



「私は反対です、氷室君。急な話しすぎる。」


「新井田『先生』、心配ありませんよ。外出届けは二人分出してあるので。」

氷室様はゆっくり、僕を見据えた。

「僕、嬉しいです!」

氷室様、僕を要らない訳じゃ無かったんですね?

氷室様のことだ、何か意味のあることだったに違いない。
休日が楽しみだ。

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