《MUMEI》

「び、ビール飲むか?プレミアムモルツ買っといたぜ」



「マジ〜?やっぱプレミアムモルツだよな、瓶?瓶にした?」




俺は立ち上がり冷蔵庫に向かう。



「はは、瓶だよ、しかも中瓶」


「本当だ〜!しかもCMみて〜にいっぱい入ってる」




俺は二本取り出してテーブルに戻った。



秀幸は慣れた手つきで100均ライターでビールの栓を抜く。




「それどうやっても出来ねーんだよな、秀幸はなにやったって器用だよな」




俺はカップボードからグラスを取り出し、テーブルにつく。
「こんなん慣れだよ、ほら、」




グラスを掴み傾けると秀幸がビールを注いでくれて俺も瓶を持ち注ぎかえす。









「―――はあ、うまい…、」



「相変わらずいいのみっぷりだな〜、な、コロッケどうする、今食べるか?」



「ん〜、まだいいや、つか揚げてて油に酔った、食いたくないかも〜」




秀幸に、一気飲みしたグラスにビールを注いでもらう。



「―――あーそう、
…そうか…」


秀幸は何故か苦虫を噛み潰した表情でクリームコロッケの衣だけを小さく千切り口に入れた。













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