《MUMEI》
「び、ビール飲むか?プレミアムモルツ買っといたぜ」
「マジ〜?やっぱプレミアムモルツだよな、瓶?瓶にした?」
俺は立ち上がり冷蔵庫に向かう。
「はは、瓶だよ、しかも中瓶」
「本当だ〜!しかもCMみて〜にいっぱい入ってる」
俺は二本取り出してテーブルに戻った。
秀幸は慣れた手つきで100均ライターでビールの栓を抜く。
「それどうやっても出来ねーんだよな、秀幸はなにやったって器用だよな」
俺はカップボードからグラスを取り出し、テーブルにつく。
「こんなん慣れだよ、ほら、」
グラスを掴み傾けると秀幸がビールを注いでくれて俺も瓶を持ち注ぎかえす。
▽
「―――はあ、うまい…、」
「相変わらずいいのみっぷりだな〜、な、コロッケどうする、今食べるか?」
「ん〜、まだいいや、つか揚げてて油に酔った、食いたくないかも〜」
秀幸に、一気飲みしたグラスにビールを注いでもらう。
「―――あーそう、
…そうか…」
秀幸は何故か苦虫を噛み潰した表情でクリームコロッケの衣だけを小さく千切り口に入れた。
▽
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