《MUMEI》
オリジナルの台本
「だから、来年は皆が興味を惹かれるような、面白い台本を考えないといけないんです。
…オリジナルで」


そう言って、洋子さんは頭を抱えた。


「誰もが面白いと思うネタ、ねぇ…蝶子ちゃん、何か無い?」


「え?」


(そんな事言われても…)


急に面白いネタなど思いつかなくて、私は焦ってしまった。


「あんた達も、学校で何か面白いと思う事無い?」


「「え〜?」」


双子も、そして咲子さんも頭を抱えた。


「できるだけ、変わった事がいいんですけど…
あと、インパクトも欲しいです」


洋子さんは、更にハードルを上げた。


(面白くて、変わってて、インパクトがあるって事は、…)


「登場人物が、うちの商店街の人達みたいに個性的って事ですよね?」


私は、何気なく洋子さんに質問した。


「そう…」


答える途中で


「そうか!」


洋子さんは叫んだ。


「この商店街の事を劇にすれば、きっと面白いですよね!」


「「あっ…」」


双子はハッとしたように顔を見合わせ


「そうね!」


咲子さんは、確信を持って頷いた。

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