《MUMEI》
三つの約束
 
 ミッキーはデスクの上にあるインクの瓶によじ登って更に話を続けた。


「やがて君は大規模な公園のオーナーになる。
 その公園はお城や鉄道、深い深いジャングル、海に浮かんだ帆船なんかも置けるほどの大きさだ」


「公園の中に海や鉄道だって?
 そんなまるでおとぎ話みたいなことが…?」


「そこにはこれから君が生み出すたくさんのキャラクター達が住んでるんだ。
 そして公園の中は世界中の子供たちの笑顔でいつもいっぱいに包まれる」


「うん。何だかだんだんイメージが湧いてきたぞ」


 青年はそう言いながら回転椅子に反対に腰掛け、天井を見上げたままクルクルと回り始めた。


「そんな子供たちの笑顔を永遠に絶やさないために三つの約束を守ってほしいんだ」


 青年がピタリと椅子の回転を止めて話に聞き入る。


「まず一つ目。
"公園の中をいつも綺麗にしておくこと"
 綺麗な場所には綺麗な心が必ず集まる。
少々人手がかかってもいいからいつも公園を清潔に保つ事だね」


「正直言って僕は掃除は大の苦手なんだけど…。
よし、でも頑張ってみるよ」


「じゃあ二つ目。
"世界中の美味しい食べ物を追求すること。"
 美味しい食べ物には人を幸せな気持ちにさせる力がある。
 公園に来てくれた人々を美味しい料理でもてなす事をけして忘れちゃいけない」


「美味しい物を探すのは僕も大好きだ。
うん。それは守れそうだ。誓うよ」

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