《MUMEI》

「戦わなくて良かった…。」


俺はぼそりと呟いた。


嬉呂巴は爪についた磐堵の血を舐めた。


磐堵は拳銃をしまい、左手で斬られた胸を押さえた。


「呼吸が乱れてきましたね、やはり最初の一発がきいているようですね。」


「あぁそれは認める。」


「あっ…。愁浪さん、協会長さんは殺しても良いんですか?」


「えっ…それはさすがに…。ここで死に際は見たくないな。」

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