《MUMEI》

五日も明石君は学校に出てこない。

巷では死亡説が流れた。

腐敗しているのではなかろうか、様子を見に行かなければ。



「明石君……」

久しぶりの明石君は暖かいこの時期にフードを被り厚着をしている。

「……」

俯いて話すことも出来ないのか。



目の前で吐かれ、本当に死んでしまうかと思った。
急いで千秋さんを呼び出す。

実は私は医師の知識も多少かじっているので多少、診れる。
明石君はストレス性の胃炎だった。




しかも、部屋から出ていないと命令していたらしい。

私は思わず野性の小動物を捕まえて檻に閉じ込めたら死んでしまう現象を連想しまう。

しかし、よくよく聞いてみると明石君は何処か不思議な言語を話す……。


そして千秋さんの帰省するぞ発言、余計に混乱させた。

それに、明石君は千秋さんを庇い続けている。

ストレス性胃炎なのにおかしい。

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