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《MUMEI》 「………か…?!」 今思えば、なんて声を出していたんだろう。「か」って自分。 人が降ってきたというのは自転車にまたがった人が、自分の頭上のはるか上から飛ぶように落ちてきたのである。 男の人…だろうか。 茶髪よりちょっと暗めの色の髪で、こんな暑いのに黒いスーツを着ている。 あ、 ちょっとかっこいいかも。 歳いくつだろう。 よく事故に遭った人とかその事故の瞬間をスローに感じたと言うが、今この瞬間をものすごくスローに感じるのは、自分が今その体験をしているからだろうか。 なんてどうしようもないことを考えているうちに、宙に浮いているその人が、こっちに振り向いた。 そして一言。 「えへ」 きも。 率直な感想。 その人が通り過ぎたおかげで風がよぎった。 生暖かいのには変わりないが… まあ、 その後は、着地に失敗。 えらい派手に転んだ。 前へ |次へ |
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