《MUMEI》
バッシング
『人気歌手・野中早苗、突然の休業!!彼女に一体何が!?』

……最初はこんな可愛らしいものだった。

だけどすべてを隠し通すことは無理で、情報がだんだん世に出ていき、間違った情報やねじまげられた情報が広まっていく。

早苗さんをよく知らない人にとってはそれをそのまま信じてしまうのは当たり前だ。

「有理、早苗さんとは連絡取れてる?」

「取れてるけど…うかつに外出できないし、まさかウチに呼ぶ訳にはいかねーし」

「早くほとぼり冷めるといいけど」

「相手がオレだってバレなきゃな」

「あと3年我慢すればいい。たった3年だよ」

「……ああ」

真夜中にどうにかマスコミの目をかいくぐって早苗さんを家に呼んだ。

「早苗さん、大丈夫ですか?」

「大丈夫です。すみません、こんな夜遅くに」

「何言ってんですか!もうオレとは家族なんですから気にしないでくださいよ」

「そ、そうですね…」

「あ、照れてる」

「流理、お前もう寝ろ。明日学校だろ」

「また仲間外れにされて怒ってる。有理ってホント寂しがりやだよねー」

早苗さんが小さく笑った。

「じゃあおやすみなさい」
「元気そうに見えるけど、無理してるんだろうな……」
つい呟いてしまう程、早苗さんが頑張って笑ってるのがわかった。

有理、ここでお前の存在の意味が試される時だ。早苗さんは今が一番つらい時だから……。

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