《MUMEI》

「北条さんからだよ。」

宛名の紙を確認した。


「痛……何か踏んだ!」

七生が反っくり返る。

「ざまあみろ!」

七生父、大喜びだ。


七生の足の裏から鎖に繋がった銀色の塊があった。

「……ん?」

「もしかして、懐中時計かな。」

七生から受け取り、下の凹みを軽く押すと上が開き、中から時計の文字盤が現れる。

「えー何コレ、かっちょいー!!」

七生は初めて見たようだ。

「プレゼントかな。」

……そして俺は見てはいけないものを見てしまった。


足元に、丁寧な可愛い文字で

『七生さん、お誕生日おめでとうございます



        瞳子 』
メッセージカードだった……。


「しゅーちゃんからかー。」

懐中時計を催眠術を模倣したのか俺の前にぶら下げて振り子みたいに揺らした。

「……そうなの?」

怪しい、怪しいぞ……
瞳孔が嘘をついて開いてないか確認した。

「……え?」

七生、気付いてないのか。

「何でもないよ。」

「えー?」

背中に乗っかってきた。

「ヤダ重いぃ!」

七生と俺の体格差を自覚してのことか?!

「あっなんかズルイー」

七生父が加わり殺人的な重圧が掛かる。

つ、潰れる……!

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