《MUMEI》

「嬉呂巴?」


嬉呂巴は自らの血を舐め、傷口が治ったら腕に噛みついた。


嬉呂巴は自分の血を貪った後、自ら立ち上がりフラフラしながら立っていた。


「嬉呂巴?具合悪いなら寝てた方がいいぞ。」


俺は背を向けている嬉呂巴に声をかけた。


すると嬉呂巴は顔だけを振り向かせた。


「愁浪さん。」


嬉呂巴の目にはいつもの優しい光はなく、狂ったような目をしていた。

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