《MUMEI》

あの場所に、明石君を連れて行くのは反対だった。


でも明石君は千秋さんに純粋な笑顔を向けている。





千秋さんは反省しているのかもしれない。

千秋さんのことはよく分からないが明石君が拒んでいないことだけは分かる。

「千秋さん、貴方は何をするつもりですか?」

明石君のいない場所で聞いてみた。

「……見れば分かるでしょ。俺は、父さんの言うものを手に入れたくなったまでのこと。」

それは、財産競争に本格的に参加すると取るべきか。

それとも…………

「――――明石君を大事にしてあげて下さい。」


「あれは俺だ。俺を知り、俺を見て、俺に尽くす。

ただ、あの馬鹿は俺と離れることを教えてられてなかった。貴方にも経験あるはずだ。」

千秋さんは嗤う。
ふと、明石君の言動から点と線が結び付いた。

「まるで飼い馴らされた犬猫です。主人から無理矢理離されると弱る……。」

千秋さんは明石君の素質を見切ったのだ。


「いくらモモでも、父さんに告げ口するなら容赦しない。」

それを聞いて、安心した。
彼は本気だということだ。

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