《MUMEI》
仲直り
「ヌいてないんだ。ずっと……。ゆ、由自のために…」
「オレのため?」
「うん。前にも一ヶ月ぐらいケンカしたことあっただろ?こうやって仲直りした後にHしたじゃん。その時の由自の顔がすっげぇ嬉しそうでさ……。また、見られるんじゃないかと思ってずっと我慢してたんだ」
オレは何回もヌいていた。なんにも考えずに。
俊はオレといつか絶対仲直りするから、その時にオレを喜ばせるために我慢していてくれたんだ。
「俊ってオレのこと好きだよな」
「……うるさい」
照れた?
「じゃあ――…俊、オレのこと喜ばせて」
「えっお前勉強は!?」
「今は俊の気持ちをくんであげることが大切だよ」
「いやいや後でもいいから!」
「オレは今がいい」
俊をベッドの方へだんだん追い詰めていく。
俊がベッドにぶつかって倒れ込んだところにオレが覆い被さる。
「俊……ずっとお前に触れたかった」
「ん……う…っあ…―はっ」
深く深くキスをする。
あ――…幸せだ。
耳も首筋も鎖骨も思う存分舐めてやる。
「あ――…んんっ!い…いや、やめて……」
俊のピンク色に咲いた胸の凹凸を噛む。
「…俊―、下の方はどう?」
「は!?し…っ知らねぇよ!」
「確かめてみてよ」
「じ、自分で?嫌だ」
「……じゃあ」
ギリッ
「―――っ!!痛い」
「早くしないと噛みきっちゃうよ?」
口の中に血の味が広がる。
……強く噛み過ぎた;
「………っ」
俊がいやいやベルトを外し始めた。
逆にオレがちょっと驚いてしまった。
「ゆ…由自、ヤバイよ。早くしないとイっちゃうかもしれないってくらい我慢の限界……」
「大丈夫。一ヶ月分ならたくさんあるよ」
俊の手の上からオレは自分の手を被せ、触る。
「……確かに結構きてるみたいだな」
俊はもの欲しそうな顔をしてオレを見てくる。
「そうだ。俊、さっきお前オレのこと子供扱いしたよな?」
「してないよ!」
「したよ。お袋のメシ食ってる時に……。あれ、何?」
「別に深い意味は」
「じゃあ浅く意味はあるの?」
「浅い意味も深い意味もない!!」
「オレをじらすためとかじゃないよね」
「違う!」
「もういいけど。俊にとっては結果オーライだよな」
俊はもう言い返す気が失せたのか、黙っていた。
そろそろかわいそうだ。
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