《MUMEI》
明石 珠緒とお誕生会
「タマ、誰に話し掛けられても一言も声を発すな。」

氷室様の言葉に頷く。
その言葉は今から始まっているのだ。

僕はアイマスクで目隠しをされ首輪に付いている鎖を引かれ、車に乗せられた。

その間にヘッドフォンで外部の音声を遮断され、脳内では引っ切り無しに第九が流れていた。

ずっと誘導されながら歩いて行くと何やら室内に入ったことが理解できた。


氷室様は僕に鎖をぶつけ放り込むと居なくなったようだ。
氷室様の気配が無くなり不安になる。

羽交い締められ服とヘッドフォンを取られてアイマスクを付けたままお湯の中に放られた。

突然、氷室様が放置し続けた僕の髪を知らない手が洗う。
手つきがプロっぽい。


湯舟らしいところから上がると髪を腰辺りで切り揃えられ、どんなものか想像出来ない服を着込まされた。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫