《MUMEI》 「おい、次体育だろ」 瀬田くんの声にはっとする。 周りの男の子たちは、体操服に着替え始めていた。 「今日はちゃんと出ろよ?? …お前いないと6組の小木が調子乗るからさあ」 「う、うん」 答えて、鞄から体操服を取り出した。 すでに着替え始めている瀬田くんに背を向けて、急いで着替えた。 …体育、ちゃんとできるかなあ… 不安になってくる。 私、バスケすごく苦手だし… 「どうした??」 瀬田くんが、心配そうに私の顔を覗き込んだ。 「…なんでもない!! バスケ、がんばろー…、ぜ!!」 私が笑って答えると、 「おう!―…打倒、小木だぜ!!」 瀬田くんはそう言って走り出した。 私も後を追う。 ―…椎名くん、私がんばるよ。 …6組の小木くんと、戦ってみせるよ!! 前へ |次へ |
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