《MUMEI》 〈第十五話〉真昼の月「ママ〜。」 今年4つになる我が子が、駆け寄ってくる。 両手を広げて彼を抱きしめる。私の横には、優しい旦那様。夫のお母さんと同居してるけど、上手くやってる。 その頃の私は、毎日が幸せだった。料理が好きな私は、大好きな家族の為に、美味しくて健康に気を使った料理作りに、日夜励んでいた。 そんな私のこだわりの1つが、毎日の包丁の手入れだった。包丁の切れで、食材の味が決まるからである。 前へ |次へ |
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