《MUMEI》 責める〜海視点〜 まっすぐ栄実を見つめる歩と 俯いて涙を流し続ける栄実。 暫く続いた沈黙の後、栄実が口を開く。 「栄実のこと信じても、栄実は歩っちのこと裏切るよ・・・?」 「栄実はそんなことしない」 歩は、またもやキッパリと言い切った。 「会ったばっかりの歩っちに・・・何が分かるの?」 栄実はポツリと呟いた後、顔を上げ大きな声で歩に言葉をぶつけた。 「栄実がしたこと何も知らないくせに・・・!!」 そう言うと栄実は、俯き片手で顔を隠すようにして消えそうな声で呟いた。 「栄実はみんなが思ってるような子じゃない・・・。 酷い人間なの・・・最低な人間なの。 大切な人を守るどころか傷つけることしか出来なかった・・・」 容赦なく自分を責める栄実を、抱きしめることしか出来なかった。 栄実は、悪くない!! その想いを言葉にすることしか出来なかった。 「そんなに自分のこと責めるなよ!! 栄実は悪くない・・・!!」 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |