《MUMEI》

全身に回った液体を
魔法の光で包み
体に害を与えないよう
丁寧に早く


傷口から手をゆっくり上げると、手のひらには何千本の赤紫色の糸がついていた。

手を上げていくと、糸はどんどん伸びていった。

伸びでいくと言うより、傷口から糸が出てきているようだった。


糸を良く見ると、水滴のような小さい粒が糸についていた。


塁羅は目を瞑ったまま、呼吸を荒くしていた。


塁羅はゆっくり紫吾の体から、赤紫色の糸を抜いた。

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