《MUMEI》
好きじゃない
「洋一は私を見てないと思う」
その事を友達の亜季に相談するようになってから、私が本当に洋一を愛しているかどうかを考え始めた。
出会ってから1週間で付き合ったんだから、好きなのかどうかなんて分からないのは当然だよ、と亜季にはいわれたが、実際もう限界だ。洋一は実際私の話を聞いてない事が多し、私の事を彼の頭の中で作りあげられたイメージで見ている事が一番苦だった。
洋一がいう「可愛いらしい甘えん坊な女の子」を演じ続けるのは、短気な私の性格上不可能だった。本当の私を見て貰いたくて、洋一に「私は洋一が思ってるような女の子じゃないよ。全然真面目じゃないし、女の子らしいよりむしろ男まさりだし、短気だから、そんな私をみたらきっと洋一は私を好きだなんて思わなくなる」
とちゃんと話した。それでも彼には伝わらなかった。頭がいいはずの彼には「嫌いになっちゃヤだ」という風に聞こえたらしい。あくまで彼は私をイメージだけで見た。
これからどうすればいいのか、それから分からなくなってしまい、また考えることが嫌になっていった。
彼の目の前に映るでっかいイメージだけで作りあげられたスクリーンはなかなか壊れなかった。

前へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫