《MUMEI》

「いい加減気が付きなさいな。
貴方はあきこ、恋人と同じ名前を付けられた猫なのよ。
両想いどころか、貴方の愛なんてただの愛でられているだけの一過性の感情への思い上がりよ。」

黒い猫は男の腕の中で話し出す。



「いや……」

違うわ、



――――ジャア、
アノ、彼ノ肩ヲ抱ク
 モウ一人ノ私ハ?


「昇、あきこに似た猫がいるって言っていたでしょ、買いに行こうよ。」


私ガ、私ニ似タ
モノヲ
買ウ算段ヲ、シテイル





「 いやああああああ……」

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