《MUMEI》

「……私、愛されていたのだわ。昇も秋子も好きだったもの。

鈴が、落ちて、

二人が私にくれたお気に入りのそれが無くなってしまうのが悲しくて、道路に飛び出した……。」

ふと、あきこは目線が低くなる。
茶白の姿に戻ったのだ。






「 みゃあお 」

昇はかつて辛いことがあると足元に擦り寄ってきた彼女の甘ったるい声を聞いた。

秋子は彼女の首によく栄えたぴかぴかの銀の鈴の音を聞いた。

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